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なぜ今、中小企業のDXなのか ~第3回 | 中小企業でDXしてみるなら?~


今回は、『なぜ今、中小企業のDXなのか』というテーマの最終回、「中小企業でDXしてみるなら?」という点に、お答えしていきます。






■中小企業でDXしてみるなら?

◯中小企業の強みを活かしたDX


前回ご説明した通り、大企業のDX事例を見ると、

自社ですべてのシステムを一から構築し、一切他社と連携せずにDXしている

という話は、あまり聞いたことがありません。


大企業のDXでは、WEBサービス(SFDCやAWS等々)を自社に導入するために

緻密に業務設計し、他のシステム・サービスとの連携や、サービスの機能をフル活用して

最適化を図っていることが多いです。


実は、WEBサービス自体は安価に利用できますが、他のシステム・サービスとの連携により、

一連の業務を完全に自動化させるために、カスタマイズ・開発していることが多く、

ある程度の投資は発生しています。


大企業は、既に多額の投資をしてきた複数の自社システムを運用していることが多く、

新しいWEBサービス等の利用にあたっては、既存システムとの連携・最適化が大きな壁となり、

大きいからこそ変化が大変になってしまうのです。



一方、中小企業は、品質が悪い既存システムを刷新する等、小回りが利く強みを活かして、

最高の顧客体験を提供するために、必要な業務を設計し、そのために必要なサービスをシンプルに導入する

ことが可能です。


グローバルでしのぎを削っている数々のWEBサービスは、ユーザの利便性を徹底的に追及するとともに、

ユーザの声をすぐに反映したサービス拡大を行っているので、ある業務でサービス適用を考えた際に、

その一連の業務すべてがサービススコープになっていることが多いです。


例えば、SFDCというCRMサービスであれば、単なる顧客関係情報や案件の管理に留まらず、

顧客とのやり取りをWEB化する際のWEBチャネルの提供や、ECサイトの構築、AI等々、

様々なケースで顧客とコンタクトする一連の業務がサービススコープに入っています。


もちろん、あるべき業務プロセスをまずは検討すべきですが、アプローチの仕方として、

サービス側からどういった顧客体験を提供可能かということから、業務設計の視野を広げることも有用です。



◯DXの進め方

ただし、WEBサービスを使うだけでは、事業の再構築にはなりません。


あくまで、WEBサービスは、手段でしかないからです。


DXを進めるにあたっての第一歩は

その事業における『最高の顧客体験を定義すること』 です。


第1回でご説明したように、DXは個別最適ではなく、顧客ニーズに応えるために、

全体最適で変革していくことです。



事業の目指すべきところを顧客起点で定義せずに、変革を進めても、


・X億円の売上拡大のために、Y商材を強化しよう 【自社都合での目標設定】

⇒結果、顧客ニーズがなく、成果がでない・・・


・顧客から訪問営業に対して、納期に関するクレームが多いので、訪問営業員が出先で

 納期確認が可能にしよう 【個別の業務課題の改善】

⇒訪問営業の効率化には繋がったが、訪問営業以外のチャネルの納期確認や、

 そもそもの納期に関するクレームは放置されたまま・・・


といったように、思い付きのその場限りの検討・応急措置に留まり、全社的な改革には至りません。



したがって、“最高の顧客体験を実現するために、必要な打ち手を検討し、企業全体で打ち手を推進する”

という進め方をすべきです。


その際に重要なのが、顧客体験や打ち手、その推進にあたって、常にデジタルを前提に考えることです。


顧客体験を考える上では、顧客が前提としているデジタルを抜きにはできませんし、

打ち手やその推進にあたっても、ほとんどの場合でデジタル技術を活用すれば、

効率的かつ、即座に目的を達成可能です。




また、実際DXを推進しようとすると、全体最適で変革することが必要であるため、

外部に丸投げしてできることではなく、自社人材が中心となり推進することが必要となりますが、

自社人材のスキルが不足している会社がほとんどかと思います。


スキルが不足した自社人材だけでDXを進めようとした結果、停滞・放置されるか、

個別の業務改善にWEBサービスを活用して、DX完了としてしまうケースに陥りがちです。

※本来DXは事業の変革サイクルなので、完了といった概念はありません。



そういったスキル不足の課題を解決するために、大企業においては、

DXの専門家であるコンサルタントを高額で契約し、社員も巻き込んでDXのプロジェクトを推進することで、

社員自体のDXスキルを育成するケースが多いです。


前回ご説明した通り、こうしたコンサルタント等の支援者が不在であることが中小企業のDXに大きな課題でした。


しかし、最近では、これまで大企業メインだったDXコンサルタントが、中小企業のDXも支援する傾向が出てきており、

弊社、中小企業DXプロボノでは、現役のDXコンサルタント等の社会貢献・スキルアップを目的とした人材を活用することで、

無料かつ高品質なDXコンサルティングサービスを提供しています。


中小企業のDXを進める上では、DXのスキルをもったコンサルタント等が積極的に支援すべきですが、

コンサルティングサービスを低価格で提供しているところが、たくさん出てくれば、

中小企業のDXが大きな流れとなって動き出すと思います。


これまで3回にわたり、『なぜ今、中小企業のDXなのか』というテーマでご説明してきましたが、

少しでも中小企業の方が、「うちでもDXやってみるか」「ちょっと調べてみようか」

とDXに向けた一歩を踏み出していただければ幸いです。


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